現代の新しい相続トラブル!デジタル遺産・デジタル遺品とは?

Q:知らなかったでは済みません!デジタル遺産・デジタル遺品とは?

A:デジタル遺産・デジタル遺品という言葉をお聞きになったことはありますか?これは個人が保有していたインターネット上の財産やデータのことです。

  1. 『遺品』というのは、故人の衣類や書類などのように資産価値がないものを言います。『デジタル遺品』といった場合には、故人の保有していた各種データがこれに該当します。たとえば、PCやスマホに残された写真や文章、ブログ、ツイッター、フェイスブック、ユーチューブ、インスタグラムなどのアカウントやデータ、クラウドストレージに保存されたデータなどはすべて『デジタル遺品』です。
  2. 『遺産』とは相続の対象になる資産のことですが、『デジタル遺産』といった場合には、ネット銀行に預けた預金や、ネット証券の口座の株式やFX口座などがあります。これらの口座には通帳やキャッシュカードはありませんので、そもそもどこに口座を持っているかさえ遺族には不明なケースも多いでしょう。

まず注意が必要なのは、故人が利用していた有料サイトの扱いです。相続人がこの存在を知らなければ、退会せずに放置されてしまいますので、月額利用料が膨らむことによるトラブルが想定できます。また、生前に株式やFXなどの金融取引をしていたことを知らなかったことによって損失が拡大することもあるでしょう。FXのレバレッジ取引などでは、巨額の損失が出てしまうこともあるかもしれません。このようなネットサービスの利用は今後も減ることはなく、むしろ増え続けるはずです。

利用してるネットサービスの一覧に加えて、ID・パスワードのリストを作って貸金庫に保管したり専門家に預けるなどして、相続開始後に相続人が把握できるようにしておくことが必要です。