ウチは争うほどの財産はありませんから…いえいえ、財産が少ないほど争いに!

Q:ウチは争いになるほどの財産はありませんから…

A:司法統計によれば、家庭裁判所での遺産分割調停のうち、約3割が1000万円以下で4割強が5000万円以下ですので、全体の7割以上は5000万円以下の財産を巡って相続争いをしているということになります。都市部では自宅不動産と預貯金の合計で5000万円というのは決して資産家ではなく、ごく普通の家庭だと言えるでしょう。

「ウチには争いになるほどの財産がないから」とおっしゃる一般家庭が、実は最も争いになりやすいのです。逆に言えば資産家の方はきちんとした相続対策をしている方も多く、比較的スムーズに相続がすすむという傾向もあるように思います。特に不動産というのは現金のように分けることが出来ませんので、自宅不動産以外にはそれほど資産がないという方は最も争いになりやすいと言えるでしょう。

相続を巡って争いになりやすいのは次のようなケースです。ひとつでも当てはまる方は、遺言を作成するなど、きちんとした相続対策を検討されるようにおすすめします。

  1. 自宅不動産以外に財産があまりない
  2. 高額な不動産がある
  3. 親の介護を相続人1人がしていた
  4. 親と同居していた子が財産を管理していた