絶対に相続させたくない親不孝な子がいる!相続人の廃除とは何ですか?

Q:親不孝な子に相続させたくありません。どんな方法がありますか?

A:たとえ親子であっても、様々な理由から「絶対にこの子には相続させたくない」というご相談があります。
このようなケースでは、家庭裁判所に『相続人の廃除』の申し立てをする方法があります。
相続人の廃除が家庭裁判所に認められれば、その相続人は相続人から除外されます。廃除された相続人には遺留分もありませんので、廃除した上で遺言を作成することで、特定の相続人を相続から確実に外すことが出来る方法です。
ただし、どんな場合でも廃除ができるわけではなく、下記のいずれかに該当する必要があります。ただ単に気に入らないとか性格が合わないというような理由では廃除が認められることはないでしょう。

  1. 被相続人に対する虐待
  2. 重大な侮辱行為
  3. その他著しい非行

相続人の廃除を行う方法は、下記のとおりです。

【家庭裁判所に申し立てる】
生前に家庭裁判所に相続人の相続廃除を申し立てることができます。家庭裁判所から相続廃除の審判が出た場合には、市区町村役場に推定相続人の廃除届を提出します。

遺言に記載する】
遺言に相続人の廃除について記載しておくこともできます。この場合は、遺言執行者が家庭裁判所に請求を行いますので、遺言執行者を指定しておく必要があります。

ただし、相続廃除が認められるケースは非常に少ないと言われています。また、相続人の廃除が認められると、戸籍に記載されることになりますので、戸籍を大切にする日本の慣習の中ではなかなか使えないのではないでしょうか。
なお、親が相続人から廃除されている場合にも、その子は代襲相続人となれますのでその意味でも相続人の廃除を申し立てる意味があるケースは限定されると思います。