尊厳死宣言公正証書とは?過剰な延命措置を拒否して自然な死を選ぶということ

Q:尊厳死宣言公正証書とは?遺言に書いてダメなの?

A:尊厳死とは、治る見込みのない病気であるようなときに、自分の意思で過剰な延命治療措置を中止し、人間としての尊厳を保ちながら自然な死を迎えることです。自ら積極的に死を選択するわけではありませんので、安楽死とは異なります。
これは本人の自己決定権を尊重する考え方で、医療現場でも尊厳死宣言に従って延命治療を中止するケースが増えています。

尊厳死の宣言は法律で方法が定められているわけではありませんが、間違いなく本人の意思によることを明確にするために公正証書で作成するのが一般的です。
しかし、現代において自ら尊厳死を選択することが許されるのかどうか、社会的に確信が得られているわけではありませんので、尊厳死宣言公正証書を作成していたとしても希望通り延命治療が中止されるかは、医師の判断によることになります。

尊厳死宣言書には一般的に下記のような内容を記載します。

  1. 延命措置を停止して欲しいこと
  2. 苦痛を和らげる処置は最大限利用して欲しいこと
  3. 上記について家族の同意を得ていること
  4. 医療関係者を免責して欲しいこと

なお、遺言の付言事項として尊厳死宣言を記載する方法はおすすめしません。遺言は亡くなった後に開封して内容を確認するのが一般的ですので、尊厳死宣言を記載するには不適切ですので、遺言とは別に作成します。