被成年後見人の自宅不動産を売却したい。どうしたらいいでしょう?

Q:現金が減ってきたので、被成年後見人の自宅を売って現金化したいです。

A:成年後見人には包括的な代理権がありますので、成年被後見人の不動産を処分することが出来ます。しかし、居住用の不動産については取り扱いが異なりますので注意が必要です。

①居住用でない不動産
居住用でない不動産については、後見人の判断で売却することができます。ただし、後見監督人が選任されているときは、後見監督人の同意を得なければなりません。売却するためには、不動産の現金化が必要で相当であるかどうかを判断する必要があります。親族を援助するために売却することは本人のために必要なことではありませんので売却は難しいでしょう。

②居住用の不動産
居住用不動産の処分については、家庭裁判所の許可が必要です。許可を得ずに売却した場合には売買が無効になりますので十分注意してください。なお、後見監督人が選任されているときは、後見監督人の同意を得る必要があります。居住用不動産とは、被後見人が、生活の本拠として現に居住の用に供している、または居住の用に供する予定がある不動産をいいます。

被後見人が施設などに入院中であっても、もし退院した場合には帰る不動産は居住用ですので、売却する不動産が居住用なのかどうなのかは十分に注意しなければなりません。不安がある場合には必ず家庭裁判所に相談していただきたいと思います。