遺言がなければ、相続人全員で遺産分割協議をします

Q:遺産分割協議には、相続人が全員参加しなければならないのですか?

A:遺言がない場合には、相続人全員で遺産分割協議を行うことになります。
相続人の一人が海外に住んでいたり、長いあいだ行方不明であっていても、その人を除外して協議を行うことはできません。また、遺言で包括遺贈がされた場合には、包括受遺者は相続人とともに遺産分割協議に参加して遺産を分割していくことになります。
注意が必要なのは下記のような場合です。

①認知症の相続人がいる
認知症や知的障害で意思能力に問題がある場合、成年後見人を選任したうえで、成年後見人が代わって遺産分割協議を行うことになります。この場合は、遺産分割協議の内容まで家庭裁判所の関与を受けながら決定していくことになります。

②行方不明の相続人がいる
相続人の中に行方不明者がいる場合、不在者財産管理人を選定したうえで、不在者財産管理人が家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議を行うことになります。

③未成年の相続人がいる
相続人の中に未成年者がいる場合、法定代理人である親権者が代わって遺産分割協議を行うことになります。なお、父親が亡くなって母親と未成年の子が相続人となるようなケースでは利益相反となり、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう必要があります。