相続人が1人もいません。わたしの築いた財産はいったいどうなるの?

Q:わたしは独身で兄弟もおらず、両親も他界しています。相続人はいない、ということだと思いますが、わたしの財産はどうなるのでしょうか?

A:民法で定められる相続人は、被相続人(亡くなった人)の配偶者や子、親、兄弟姉妹など、被相続人と一定の関係にあった人です。これらの法定相続人が全く存在しないケースを『相続人不存在』といいます。生涯独身で子どももなく、両親も他界していて兄弟もいない方には相続人はいません。相続人がいない方は決して珍しくありません。
相続人不存在の場合には、家庭裁判所に『相続財産管理人』を選任してもらうことになります。相続財産管理人は、不動産などの相続財産を現金化したり、債権者に対して支払をするなど相続財産を整理していきます。そして、相続人を捜索するための公告で定められた期間内に相続人であることを主張する者がいなかった場合、『特別縁故者(内縁の配偶者や事実上の養親子など)』の請求によって相続財産の全部又は一部を与えることができます。

家庭裁判所によって特別縁故者への相続財産分与が認められた場合には、相続財産管理人は、特別縁故者に対して裁判所が定めた分の遺産の分与を行います。この後、残った相続財産は国のものになります。

生前にお世話になった友人や、会社、NPO法人、施設などに遺産を譲りたいという気持ちが決まったら、遺言によって遺贈することを検討すべきでしょう。