相続人不存在!親族がひとりもいない場合、自分が亡くなったらどうなるの?

Q:私には親族が1人もいません。私が亡くなった後、葬儀の手配、各行政機関の手続、遺品の整理等はいったいどうしたらよいでしょうか。

A:生涯一度も結婚をせずに独身というライフスタイルを選択する方は年々増え続けています。また結婚をしても子どものいない方もたくさんいらっしゃいます。このような方々が人生の黄昏を迎えたときに、自分の死後の様々な手続きに不安を感じるのは当然だと思います。

死亡届の提出から始まり、葬儀を取り仕切ったり、病院や公共費用の支払い、電機や水道を止めたり、クレジットカードを解約したり、考えただけでも数多くの手続きがあります。

いったい誰がこれらの面倒な手続き一切を引き受けてくれるのでしょうか?近所の方の好意をあてにしたり、行政に頼るのではなく、自分自身できちんと道筋を立ててが出来るのであればいかがでしょうか。。

亡くなった後の手続を、信頼できる知人、司法書士や弁護士などの第三者に行ってもらう契約のことを「死後事務委任契約」といいます。遺言書にも亡くなった後のことを決めておくことはできます。しかし、財産をもらえるということならともかく、葬儀や各種手続きのことを誰かに依頼したとしても法的な効力はありません。

そこで生前に依頼者(委任者)の死亡後に様々な手続きをしてくれる代理人(受任者)を契約によって決めておくものです。

死後事務委任契約は、任意後見契約と同時に作成されるのが一般的です。認知症などで財産を管理できなくなったときには任意後見人が財産管理や身上監護を行い、亡くなった後も死後事務委任の受任者として円滑に手続きを進めることが出来ます。

任意後見だけでも、死後事務委任だけでも不十分なのです。受任者には特に資格制限などはありませんので、知人に依頼することも可能ですが、手続をトラブルなくスムーズに進めるには専門家に依頼されることが好ましいでしょう。