Q:公正証書遺言には祭祀承継者を記載しなければならないの?
A:公証役場で遺言を作成する際には、祭祀承継者はどうしますか?と聞かれます。これは遺言に記載してもしなくても構わないものなのですが、この際、祭祀承継者のことを考えてみるのもいいかもしれません。
『祭祀承継者』とは、系譜、祭具及び墳墓等の祭祀財産を承継する者のことです。
- 系譜というのは先祖から伝わる家系図のこと
- 祭具というのは仏壇、神棚、位牌、霊位などのこと
- 墳墓とは、遺体や遺骨を納めた墓石・墓碑などのことですが、墓地の不動産としての所有権や、墓地の利用権等も含まれると考えてよいでしょう。
祭祀の承継は、遺産相続とは別に考えることになります。ですので、祭祀財産は相続財産の評価には加えませんし、相続放棄をした場合でも祭祀財産は承継することが出来ます。
祭祀承継者を誰にするかは、以下のような順番で決定されます。
- 被相続人が指定する
被相続人が祭祀承継者を指定する方法です。遺言に記載するケースが多いとは思いますが、生前に口頭で指定する方法でも構いません。 - 慣習
被相続人の指定がない場合には、慣習によって祭祀承継者を定めます。 - 家庭裁判所が定める
指定もなく慣習もない場合には、家庭裁判所の調停や審判によって定めます。