そろそろ終活を検討しています。『遺言』にはどのような種類があるの?

Q:大きな病気が見つかったこともあり、遺言を作成しておこうかと考えています。遺言にはいろいろと種類があると聞いていますが、どんな遺言をつくるべきか迷っています。

A:遺言には、遭難した船の中で作る遺言や、刑務所に服役中に作る遺言などの特殊なものを含めて様々な種類があります。しかし、一般的には、『自筆証書遺言』か『公正証書遺言』の2種類から方式を選択することになるでしょう。

『自筆証書遺言』とは、遺言者が紙とボールペンを使って自筆で遺言書を作成する方式で、最も簡単な方法です。ただし、偽造や紛失のリスクがありますし、公証人や証人が関与しませんので遺言能力の有無が問題になる可能性もあります。また、物件の特定が不十分だったりすることで無効になってしまう恐れもありますので、あまりおすすめは出来ません。

『公正証書遺言』とは、2名の証人立ち会いのもとで公証人に作成してもらう遺言です。法律の専門家である公証人に作成してもらう遺言書ですので、形式や内容に不備があることは通常考えられず、最も確実な方法と言えます。また、公証人が遺言能力を確認しますので、認知症など遺言能力で紛争になった場合も有効性が否定されることはあまり考えられません。

専門家に相談すれば、おそらく10人中10人が公正証書遺言をすすめるはずです。しかし、つぎのような方には自筆証書遺言をおすすめしています。

  1. 死期が目前に迫っている方
  2. 遺言を作成することを身近な人に知られたくない方
  3. 費用を一切かけたくない方